クリスマスのイルミネーションが綺麗なヒルトンでお茶に誘われた。久しぶりの事で懐かしく行ったが改装していて趣が変わり新鮮な感じがする。
彼は私と年齢はそんなに変わらないが独身の様に元気で活動している医者である。いつもさり気なくでは有るが、社会に貢献している事を、聖職である事を意識して生きている人である。その無頼な風貌からして周りからはまじめに見えていない。注射は抜群にうまくて痛くないし、病気の診察の勘は鋭いものがある。職人気質なのかもしれない。
その彼が言う。親父の責任で成人までは何も言わずにお金をふんだんに渡してきたが、子供がもう成人したからと言う理由で送金をストップさせると妻に宣言したそうだ。
学校にただ通うだけで、アルバイトをしているのは何故か?と妻に聞くと、彼の妻は社会に出て色々お勉強になるからいいでしょう。との返事らしい。
社会の為に、人の為になる仕事を選ばないで、誰でも出来る仕事につきたいのであればすぐに学校はやめなさい。但し、一生懸命にお勉強して国の役に立つ、人の為に成るお仕事をする為のお勉強なら、幾らでも援助する。と話したらしい。
この頃、本気でそのように意識を持って子供の教育をする親がどれだけいるのだろうか。妥協しないで、本気で子供の将来を考えている親はどれだけいるだろう。甘えと本気と本音を考えさせられた。力強い父親の顔が、夜もふけていく中で光って見えた。