朝はパラパラ小雨交じりの中をそれでも少しばかりの晴れ間を縫って車を運転していた。鶴川街道から府中街道へ入り小杉を過ぎた辺りで空は明るく晴れた。丁度午後2時。日曜のせいか道路は混んでなくて早くつきそうだ。後30分で依頼された店には行ける。
夜の路面は濡れていた、5時間余りの仕事の間に時々降っていたようだ。10名程鑑定して喉がカラカラだ、今日はしゃべりどうしで空腹を感じる。
早々に街を離れ、ひたすら西へ西へと暗くなった夜道を急いだ。どこか適当な店を選んで一服のコーヒーをと思った矢先、ザァーと降りこんで来た。ワイパーも忙しく左右へ揺れるるがまったく視界を閉ざされた。慌てて近くの店へ逃げ込んだが段々雨足は勢いを増してくる。
まるで機嫌が悪いのか道路を叩きつけているようにも感じる。激しく容赦のなさは元気が良く若い雨にも見えてくる。コーヒーを飲みながらぼんやり外を眺めて、昔日の若い苛立ちが重なり、いつまでもいつまでも席をたつことが出来なかった。